1.小児肥満と地方政府、オーストラリア
何故、ヨーロッパの乙女は、美しいのか
ヨーロッパの若い女性は美しい。日本の女性の美しさも国際水準に達したかといわれるが、とてもタチウチできない。スラットのびた脚、豊で形のよいバスト、しなやかにくびれたウエスト、長く伸ばしたままパーマ気のないつややかな髪、陶器のようになめらかな美肌、化粧をしないのに素晴らしいメリハリのある顔・・・・。日本女性が美容整形しようが、メーキャップに凝ろうが、とても及ばないほど美しい。
ところが、そのヨーロッパの女性も、20歳を過ぎる頃から、急斜面を転がり落ちるような凋落ぶりをみせる。肌はブタ皮のようにキメが荒くなり、赤ら顔になる。脂が浮き出て、シミだらけになり、足にふとい静脈が浮き出てく る。この醜悪ぶりを決定づけるのが、ブクブクと太りだす事だ。
あの目を見張るばかりの美少女とは、どうしても一直線上に結び付けて考えることができない。
何故これほど恐ろしい変貌をとげるのか。それは肉食のせいである。
もともと穀菜食動物である人間の消化管では、肉食は満足に消化されない。肉食性老廃産物や毒素が吸収されて、血液は汚れてしまう。その汚れた血液が、人間の正常な生理機能を混乱させるために、人間に起こるまじきい ろいろな異常がおこってくるのである。
日本の老婆は、小さくて、何処となく童女のようなあどけない雰囲気を持って いる人が多い。だが、ヨーロッパの老婆は、大きく骨ばって、魔法使いのような異様な風貌になる。
ケヴィントルドー減量硬化批評
では、若い娘時代に、たとえようも無く美しいのは何故なのか。もともと穀菜食である人間にとって、肉食は、早熟早老食なのだ。肉食者達はより早い時期 に成熟の最盛期を迎え、早々と凋落していく。そのピークの時期に、人間としての美しさを凝縮し、出し切ってしまうのであろうか。とくに、肉食のために、人間の生物としての側面の特性が最大限に発揮されるのではなかろうか。
2.肉食への適応の限界
肥満をはじめとして、老いの酷さがすさまじいのは、人間の肉食への適応には限界があることを物語っている。とくに女性の老化ぶりが著しいのは、穀菜食動物である人間の中でも、とくに女性は炭水化物性の生き物であって、肉食とは、本来肌があわないはずのもの。したがって、女性にとっての肉食は、男性におけるそれより、不自然食の性格がはるかに強められるのである。
とにかく、肉食をしていると、生理機能混乱の一兆候として、肥満があらわれやすくなる。肉食が肥満を防ぐなどということは、決してあり得ないのである。
3.患者は肉食者ばかり
間違いだらけの「やせる法」の中でも、特に人を惑わすのが、「肉食は肥満を防ぐ」というものである。
ナイアガラの滝橋
現代栄養学の理論を拡大解釈した空論であって、肉食が現実に、どういう害をもたらしているかは分かっていなのだ。私どものクリニックを訪れる全国各地からの慢性病患者や肥満症に悩む人々の食生活を克明に調べてみると、肉食をしていない人はほとんどいない。「食肉の中の動物性蛋白は、われわれの体細胞の消耗を補うために必要である。肥満と結びつくのは動物性脂肪なのだ」といいたいのだろうが、実際問題として食肉を動物性蛋白と動物性脂肪に分けることは不可能なのであって、「これは完全な動物性蛋白だ」という肉の中にも、かなりの量の動物性脂肪が含まれている。
脂肪分の存在しない蛋白だけの肉ナンテものは、そもそもこの世の中に存在しないし、肥満児や肥満症の大人が例外なく肉食をしている事実をみれば、「肉食は肥満を防ぐ」とは、ミミズのタワゴトにしか過ぎないことがわかろう。
4.肉食国家が肉食廃止に踏み切った事情
肉食が肥満食であることは、いまや世界中の人々が認めている事だ。それなのに、体蛋白の構成材料としてとらねばならないと考えているところに、現代栄養学の矛盾が生まれてきており、肉食しなければ生きていかれない風土で生活する肉食人種の悩みがあり、味覚が肉食になじんでしまった肉食者のジレンマが存在しているのである。
しかし、肉食は肥満を生み、同時に、いろいろな疾病を生じて、寿命を縮める。そればかりか、精神作用も狂わせ、ついには国家をも破綻に導く。まったくいいところなしの悪食なのだ。ところで、背に腹は変えられないというので、肉食国家が肉食廃止の大決断を行うようになった。
水銀問題がおこったのも、もとを正せば、肉食が肥満食であることに起因しているのである。アメリカでは、肥満を防ぐために、肉をやめて、代わりにマグロを食べることがはやりだした。日本制マグロの缶詰が大もてになったのである。その缶詰の中に、水銀がたくさん含まれていた・・・・・というのが、問題の発端になったわけだ。
5.亭主殺すにゃハモノはいらぬ
ともかく、せっぱつまった状況に追い込まれている肉食国家であるだけに、その国の学者の中には、肉食亡国の警鐘を乱打している人もたくさんいる。ハーバード大学のジーンメーヤー教授もその一人。肉食が、肥満をはじめととした疾病の原因になる、いかに有害なものであるかを、『亭主の殺し方教えます』の中で述べている。
肉食によって肥満がおこるのは、人間においては少しも不思議な事ではない。至極当然のことなのである。肉類は、毒素を含んでいる以上に、消化の過程で、いろいろな有害産物をつくる。これらによって、生理機能が障害されるのだ。肉食が人体活動を混乱させるのは、人間が、もともと穀菜食動物だからだ。植物性の栄養成分を素材にして、自らの体蛋白を合成する能力をもっているので、肉食などする必要は、本来ないのである。生理機能にとっては、必要ないものは即有害なものになる。体に取り入れた以上、必ず何らかの代謝作用を受ける。不要なものがとりこまれれば、それだけ余計な代謝活動をしなければならないわけであり、必要な代謝がその分だけ欠如することになる。「毒にも薬にもならない」と� ��うことがよく言われるが、われわれの体内においては通用しないことである。厳密にいえば、薬にならないものは毒になっているのである。
6.早死にしたければ肉を食え
肉の蛋白質は、そのままでは消化吸収できないので、いったん炭水化物に還元してから、改めて本来の消化作用を行う。この還元という作業は、本来ならやる必要の無いもの。それだけ余計な負担を胃腸にかけるわけだ。しかも、この還元のために、大切な酸素やミネラルなどを大量につぎ込まねばならない。
それだけの犠牲を払っても、肉は十分には消化されない。いろいろな有害な中間産物を生じる。それら肉食性老廃産物は、肝臓の解毒機能を弱め、腎臓の排泄機能を障害して、有害物の体内蓄積は進むばかりとなる。
その結果として、脂肪代謝の障害、内分泌機能の失調を招きやすい。これらは、いずれも肥満を引き起こす最大の要因なのである。
以上のことから、肉食が肥満を防ぐということは、全くナンセンスな意見なのである。
ただ肉食をある程度以上続けていくと、痩せる場合もある。肉は消化器に非常に大きな負担をかけるものである。だから、肉食を続けておれば、遅かれ早かれ消化機能は失墜し、栄養の吸収能力も著しく低下していくはずだ。
そうなれば、体細胞も衰弱していかざるを得ない。結局、痩せてくるわけだが、その時は、内臓機能全般が低下しており、体はガタガタになっているはずである。
「自然食で美しく健康にやせる本」より--森下敬一著
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